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Interview

第7エピソード

この未発表インタビュー(長編インタビューのために「連載形式」となった)は1997年に行われたものである。ペトルチアーニはこのインタビューでそれまでの彼の経歴を詳細に語り、人生の秋に長い旅路を読み返すこととなった。
その第7エピソードである。ブルー・ノートからのデビュー・アルバム「Pianism」、そして「Power of Three」「Michel Plays Petrucciani」をリリースしたくだりである…
(まだ第1エピソードを読んでいない場合はこちらをどうぞ。)

ジャズの老舗レーベルのブルー・ノートと契約したのはブルース・ランドヴァルのおかげです。「At Montreux」っていうアルバムがあって、このアルバムはエレクトラレーベルでチャールズ・ロイドとレコーディングしたんだけど、そのリリース後に当時WEAの社長だったブルーが、こんな風に言った。「いつか僕が他のレーベルの社長になったら、契約したい第一号のアーティストはミシェルだ…」って。多分「Jazz Magazine」で言っていたと思うんだけど…それから少しして、彼がブルー・ノートの社長になって、1985年にレーベルをリニューアルした。僕のマネージャーがランドヴァルから電話を受けたんだ。「ブルー・ノートレーベルをリニューアルしたいと考えておりまして、若手の力が必要です。こちらとしましてはミシェル・ペトルチアーニ氏と契約したいのですが、いかがでしょうか。」凄い嬉しかった!本当に。僕は契約の条件とか一切見なかった。全くね。サインしたよ!けど、これはあんまりいい契約ではなかったな。新人の契約条件で、印税はなきに等しかったしね。

僕がブルー・ノートで最初に作ったアルバムは「Pianism」です。1985年12月だった。けど結構いい感じに仕上がったと思うよ。その当時組んでいたトリオ・アルバムでね。最初にヴィレッジ・バンガードでライブをやって、1984年10月にレコーディングした。これは共同制作でした。「Pianism」の方は、プロデューサーはマイク・バーニカーとかいう人で、ブルー・ノートは強制的に彼をプロデューサーにした。彼とは少しやりあったな…。ブルー・ノート側は僕をスターにしようとしていたって言えば分かるかな。4、5十万枚売り上げるようなスターにしたかったんだ。だからああいう男を引き入れた。主にポップ、軽音楽界のプロデューサーをね…。感じよかったよ、けどね…彼は「スーパーマンのテーマをレコーディングしてほしいな…」とか言い出したんだ。僕は断ったよ。絶対に、絶対にやだよ。そんなの出来ない。ありえないよ…僕はブルース・ランドヴァルに電話をしたよ。彼はマイクと話してみるって約束してくれた。実際にブルースはニューヨークのRCAスタジオまでやって来て、それでうまくいった…アルバムはまあそこそこ売れて、アメリカで約1万か1万5千枚位売ったと思うよ。

僕のトリオは既に定期的にツアーをしてました。エリオット、あ、ドラマーのね、彼とはニューヨークのブルー・ノート開店の際に知り合ったんだ。リー・コニッツがその晩演奏していて、彼は僕を見つけて、舞台に上がって一緒によろうよって誘った。エリオットはその時のドラマーだったんだ。コンサートの後にどしゃ降りの雨が降っていて、僕は兄貴と一緒で、帰りのタクシーが見つからなかった。そしたらエリオットが親切にどこに住んでるの?って尋ねて、僕らを送ってくれた。僕らは語り合った。で、もし僕がトリオを結成したらメンバーになってくれるかなって彼に尋ねたんだ…。彼はいいよって言って僕に名刺をくれた。その当時、チャールズ・ロイドとは全然うまくいってなくって、僕は本当に自分の道を開きたいと思っていたんだ。ロイドはメンバーの誰とも仲良くなかった。パレ・ダニエルソンは僕にこう言った。「君が抜けるときには、僕も一緒に出ていくよ!」って。で、僕が抜けたとき、皆も出た!

恋は沢山しましたね。同じ女性と5年以上付き合うことはめったにないです。マンネリ化してくると終わる感じ…僕は新たな春が必要になるんだ。いつもね。感情の新たな高まりっていうのかな。それがなくなると苦しくてしょうがなくなる。僕がグループを頻繁に結成して、しょっちゅう変えるのもそういうことなんだ。型にはまってきたなって思ったらすぐにうんざりしちゃって、壁に頭をぶつけるんだ。けど、歌を作ること、僕はメロディとか曲って言わないで歌って言うんだけど、歌を作ることはいつも興奮するね。感動しなくなった、とかそういうことは全然ないんだけど、しばらくすると本当にうんざりするんだ。頭の中では「そういうの止めろよ!」って思うんだけど、もう一人の僕が「僕はこういう風にしか生きていけないし…」って囁くんだ。僕は全ての女性が好き。ルイ・アームストロングはこんなこと言ってたな。「僕は7回結婚したけど、7人とも皆愛してる!」って。一緒に生活した女性とは今でも強い友情がある。僕の息子のアレクサンドルの母親とはほとんど毎日のように会ってる。矛盾してるみたいだけど、僕は友情は長く続ける方なんだ。20年来の友人が何人もいる。そういうのが凄い大切なんだ。

1986年7月に「Power Of Three」をレコーディングしました。これはブルー・ノートでの2枚目のアルバムで、ギタリストのジム・ホール、サックス・プレーヤーのウェイン・ショーターと演奏したものです。凄い気に入ってるんだ。このアルバムには新しいサウンドがある…なんか解放されたみたいな自由なオリジナリティーがあって、そこが好きなんだ。ギターとピアノとサックスのトリオはそれまでやられたことがなかった。僕がこれを作った。このことが凄い自慢なんだ。僕はウェインは20世紀の最も優れた作曲家の一人だと思う。だから僕のアルバムに彼が参加していることはとても鼻が高いことなんだ。おまけに僕はジムと一緒に弾くのが大好きだったしね。このアルバムは僕にとって一つのコレクションだよ。珍しい組み合わせでしょ。アルバムのタイトルを決めるのはほとんどいつも僕。これが恐らく契約にサインする時に金額の前に確認する唯一のことだな。つまり、アルバムのタイトルに関しては完全に僕に任せてもらえるかどうかを確認する!けど、「Power Of Three」、この素晴らしいタイトルを付けたのは僕じゃない。ウェインなんだ…ウェインはS・Fのファンで、彼が「Power Of Three」っていう本を持っていたんだ。で、彼はごくごく普通に言った。「ねえ、これ、これ僕達のことだね!」って。ウェインは凄い変わってる。彼がどういう人か分かってないとついて行けない。ぶっ飛んでるんだ…彼が面白いことを話すときは、たいてい彼一人しか笑っていない。何故って何が面白いのか皆分かんないから…

僕は世界に認められるようになりたいって強くは思っていなかった。けど、ブルー・ノートのお陰で僕は、アメリカでの僕の夢だった、アメリカのレーベルでアメリカ人と働いて、アメリカにそれを配給するチャンスを掴んだ。僕はアメリカのミュージシャンと思われるようになった。アメリカの仲間達と一緒に…僕はアメリカ人なんだ!って。今よりももっと、僕の根源みたいのをアメリカに見出していた。まあ今はあの頃より「フランス回帰」してるってことなんだけどね。

ブルー・ノートで出した事実上のデビュー作は「Music」です。これのお陰で僕は有名になった。1989年リリースしたものです。けど「Music」を出す前に、「Michel Plays Petrucciani」を87年の終わり頃にレコーディングしました。2組のトリオでレコードの表面、裏面のそれぞれに録音しました。これは僕のアイディア。マッコイ・タイナー「Supertrios」が当時大好きで、このアルバムで2組のトリオがレコードのA面、B面のそれぞれで演奏しているのを聴いてね…エルヴィン・ジョーンズトニー・ウィリアムス、ロン・カーター…ああゆうのを作りたかったんだ…まだあの頃は33回転両面レコードがあったしね…今はCDになって、それまで以上の量の音楽を録音しなければならなくなったでしょ。少なくても1時間、うんざりだよね。33回転レコードなら片面25分だしよかったよな。うん、僕は南仏生まれだし、働き過ぎるのは苦手なんだよね。シエスタ(昼寝)が必要なんだ…

「Michel Plays Petrucciani」でドラムはロイ・ヘインズでした。その後彼とは一緒に沢山仕事をしました。っていうか、最初はジャック・ディジョネットとゲイリー・ピーコックでレコーディングしたかったんだよね。けど、ピーコックに「いいか、ディジョネットとやるとジャレットのリズムになるよ。これは音楽がちょっと似てしまう危険があると思うんだ。ロイ・ヘインズの方がいいんじゃないかな?ジャックが崇拝してるドラマーだよ。やりたいミュージシャンと出来ない場合、そいつの師匠とやるといいよ…」って言われた。僕はロイに電話をして、彼はすぐにやって来た。そしてこのアルバムの後、僕らは長い世界ツアーをした。今では、僕らは本当にしょっちゅう会ってる。彼は僕と一緒でドリュフェス・ジャズ・レーベルだしね。「Michel Plays Petrucciani」のプロデューサーはエリック・クレッスマン、当時の僕のマネージャーでタニア・マリアの旦那さんです。>>続き

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[翻訳]
Poisson
[訳注参考サイト]
Elektra
Wea
CDJournal
Amazon.jp
タニア・マリア

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